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応募終了

神戸市 保健福祉局 健康部 健康政策課

意識せずに健康行動が習慣化される仕掛けづくり

採択企業
リアルワールドゲームス株式会社

Story

意識せずに健康行動が習慣化される仕掛けづくり

あれ、そういえば健康になってる!

って言わせたらすごくない?

例えば、“運動が健康に良い”ことは分かってはいるのです。
そう、分かってはいるのだけれど・・・。

― 私は何もしていません(即答)
― だって、私のこの平日と休日のどこに“運動”なんて組み込めるの?
― 平日に隙間時間が多少はあるけれど、そこで“わざわざ”運動したいとは思わない。
― 平日帰宅後は仕事で疲れてるし、休みの日ぐらいはのんびりしたい・・・。
(でも、将来、不健康になってしまうのはイヤだと、実は心の底で叫んでる)

こんな私、どうしたらいいですか?!

神戸市民を対象にした生活習慣や運動についてのアンケート調査の結果からも、日常から健康的な行動をとるのはハードルが高いと感じる人が多く、かつそれを継続するのは難しいことが分かります。(H24市民の健康に関するアンケート調査結果より)

・運動やスポーツをしない理由「忙しい、時間がない、仕事や家事で疲れている」
・日頃から健康を意識した生活習慣を心がけているか「49.1% 心がけている」「37.9% 心がけたいが実行できない」「11.9% 心がけていない」

なぜこのままではダメなのだろう?

(寿命は延びている。健康寿命も延ばしていこう)

少子高齢化により、医療にかかる期間が長くなり、介護にかかる費用も増えるなどにより社会保障費が年々増大しています。そこで、「健康寿命」(介護を受けたり、病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間)を延ばし、個人の生活の質の低下を防ぐとともに、社会保障負担を軽減することで、持続可能な社会保障制度を維持することが大切です。

不健康になる

(社会保障費の増大を背景として…)
(自費負担としても、税金負担としても…)
医療費負担が増大する

健康だけでなく、生活を圧迫する

「それは、思い描いていた豊かな人生ですか?」

(行政の健康づくり対策“感じているむずかしさは何?)

健康寿命を延ばすため、行政は、健康に関する計画(健康こうべ2017)に基づき、市民の健康増進のための事業を実施しています。市民全体を対象にした一律的なサービス(啓発、健診など)と、個別的なサービス(このままだと重症化するなどのリスクの高い人への生活習慣改善のための個別指導など)です。

(わたしたちは健康にとって正しいという理由だけで選択するでしょうか?)

ですが、健康にとってよい生活習慣を知ったとしても、健康的な行動につながりにくい場合があります。
私たちは、生活スタイルも価値観も多様です。使える時間の総量、タイミング、資金、嗜好もそれぞれ違います。今、運動することよりも優先しなければならないこと、優先したいことがたくさんあるでしょう。そんな中で、“健康を目的として生活習慣を変えて、健康的な行動を選択し、継続すること”は、おおげさかもしれませんが、それは自分の中で価値観を変えることであると思います。しかし、それはとてもむずかしいことです。

― 今日のランチは「サラダランチ」か「こってりラーメン定食」か?
―「エレベーター」か「階段」か?

(仕事も家庭も一生賢命に頑張る世代は、生活習慣病リスクが徐々に上がっていく世代。)

健康は、日々の食事、運動、喫煙や飲酒の習慣、ストレス等の積み重ねで良くもなり、悪くもなり、悪い習慣を続けると、生活習慣病につながり、重症化していきます。できるだけ早い段階でリスクが右肩あがりにならないよう「手を打つ」ことが大切です。

神戸市が実施する市民を対象にした健診(神戸市健康診査受診者及び神戸市国保特定健康診査のうち集団検診受診者)の結果でも、「高血圧」「脂質異常」「糖尿病疑い」は30歳代から徐々に上がっていきます。
神戸市民の主要な死因は、がん、心疾患(心臓病)、脳血管疾患(脳卒中)の生活習慣病といわれるもので、30歳代、40歳代、50歳代では死亡原因の上位です。また、脳血管疾患(脳卒中)は要介護状態になった原因の1位でもあります。

期待していること、実現したいこと

(価値観を変えずに、環境を変える。)

健康を維持するのは個人の気持ち次第であると考えられがちですが、個人の気持ちひとつに委ねるだけでは効果は不十分だと言われています。健康が大事だと分かっていても、なかなか健康的な行動をとることができない…、というのはその例ではないでしょうか。

そこで辿り着いたのが、

「価値観を変えるのではなく、そのひとを取り巻く環境(まちづくり、商品・サービスなど)を健康を促すものに変えていく方法はないでしょうか?」 ということ。

これまで“健康”を前面に出してきた行政サービスの手法では届きにくかったひとたちが、“思わず健康になってしまった!”
そんな環境(商品やサービス)はつくれないでしょうか?

人口減少に伴う税収減が今後も続いていく中で、行政は市民のくらしの安全と安心をまもり、必要な公的サービスを維持していくことが責任です。ですが、多様化する価値観やライフスタイル、それらに基づくニーズへの対応には限界があります。多様なニーズをとらえ、サービスの提供ができる民間企業との協働により、ひとりでも多くのひとが健康的な生活習慣へとつながることを期待します。

(キーワード)

・「運動(活動)」につながる。
・「忙しい働く世代(30~50代ぐらい)」に響く・届く。
・健康的な行動が促される「環境」をつくる。

例えば、都市環境と身体活動の関連に多くの関心が寄せられており、目的地への近さ、道路ネットワーク、人口密度、歩道等の歩行者インフラ、などが歩行との関連があるとの科学的根拠があることがわかっています。また、その人の周りにどれだけ健康によいサービスや商品があるのかなども関わってきます。

・心理的バリア(めんどう、わざわざ)、物理的バリア(時間、アクセス)を低くする。
・「健康的な行動」への価値観の転換につながる。自分にとって価値がある、快適である、習慣化されてライフスタイルの一部になってしまう。
・「健康」と感じさせないけれど「結果的に健康行動になっている」。

(日本中で必要とされていること、神戸から発信してみませんか?)

神戸は都市戦略として、「健康創造都市KOBE」を掲げました。神戸=健康で暮らせるまちをめざします。神戸には多様な資源もあり、それらを活かしたアイディアも考えられます。自然(都心から近い山、海、温泉)、文化・芸術(アート、ファッション、音楽、食)、まち(都心、田園、旧居留地などの観光地、商店街、大学、ホテル、公園、ウォーキングコース)、農水産物などさまざまです。

健康的な行動に促すしくみは、自治体だけでなく、企業の従業員の健康管理部門など、ひとの健康を管理する部門で求められているものであり、また個人の生活の中のツールとしても、応用し展開できるものであると考えられます。

神戸で自分の人生をいきいきと暮らしていってほしい。予防できる病気は予防し、今以上に重症化せず、健康的な行動やライフスタイルを選択するひとをひとりでも多く増やしたい。

健康施策はその成果があらわれるまでに数年時間がかかります。5年後、10年後の未来のために“今、始める”必要があるのです。

この一歩を、この神戸で、一緒に踏み出しませんか?

(一緒に開発をしてくれるスタートアップへのサポート)

・広報、発信、媒体協力。
・現場の担当者など利用者の意見の収集。
・行政が保有するデータの共有。ただし、一般に公開可能な統計データに限り、個人情報などの保護されたデータは除きます。またデータによっては共有できないものもあります。


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